informationコラム
Index
01キャリアップ支援の弊害となる106万円の壁
社員の人材育成に対して政府からは推進する方針が打ち出されている中で、1つの課題となっていたのが短時間労働者への人材育成支援。短時間労働者の多くが「扶養内」で働く事を希望されている育児期間中の女性が多い。そのため、企業側としては短時間労働者よりもフルタイム労働者へ研修から構成されるOJT/OFF-JTなどの人材育成支援を優先してしまい、短時間労働者の優先度が落ちている実態がある。その中でまず最初に対策が打たれたのが106万円の壁に対して、となります。
ちなみに、106万円の壁については【SPN】「年収の壁」対策、10月から実施へ?!のコラムにて詳細をご説明しております。
02新設|キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」
その課題を解決する一手として2024年10月に新設されたのがキャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」です。こちらは、年収106万円の壁を気にすることなく働ける環境づくりを支援する目的から新設されました。具体的には、労働時間の延長や手当などにより労働者の収入を増加させ、社会保険加入義務が生じた労働者1人当たり最大で50万円を事業主に支給するというものです。こちらのコースは大きく3つに分けられております。
◆手当等支給メニュー◆
要件 | 1人当たり助成額/th> |
---|---|
①賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当) | ≪1年目≫20万円 |
②賃金の15%以上を追加支給(社会保険適用促進手当) ↳3年目以降|③の取組み |
≪2年目≫20万円 |
③賃金の18%以上を増額 | ≪3年目≫10万円 |
◆労働時間延長メニュー◆
週所定労働時間の延長 | 賃金の増額 | 1人当たり助成額 |
---|---|---|
4時間以上 | — | 30万円 |
3時間以上 4時間未満 |
5%以上 | |
2時間以上 3時間未満 |
10%以上 | |
1時間以上 2時間未満 |
15%以上 |
◆併用メニュー◆
要件 | 申請時期 | 1人当たり助成額 | |||
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 賃金(標準報酬月額・標準賞与額)の 15%以上分を労働者に追加支給すること (社会保険適用促進手当) |
左欄の取組みを 6ヶ月間継続した 後2ヶ月以内 |
6ヶ月ごとに【10万円×2回】 (大企業は7.5万円) |
||
2年目 | 上記の取組みを行ったうえで、 以下のいずれかの取組みを行うこと |
6ヶ月で【30万円】 (大企業は22.5万円)>★ |
|||
所定労働時間の延長 | 賃金の増額 | ||||
① | 4時間以上 | — | |||
② | 3時間以上 4時間未満 |
5%以上 | |||
③ | 2時間以上 3時間未満 |
10%以上 | |||
④ | 1時間以上 2時間未満 |
15%以上 |
上記のような3つのコースをそれぞれ活用して頂き、年収の壁を意識せずに企業側へは人材育成の幅を広げて貰う事を狙い、労働者側には研修や企業の打ち出す人材育成への取組みに積極参加をして貰う事を期待している。
事業運営を行う上で、社員教育として研修を活用した人材育成や、実務を通して社員教育を行うOJT、外部機関などを活用するOFF-JTなど様々な人材育成の手法がある中で、政府の支援をうまく活用し、社員の皆様が常に成長する人材育成のスキームを作り出す事で事業の推進は飛躍的に加速します。
03資料DLについて
社内資料として以下のような資料が必要でしたらDL可能ですので、フォームよりご登録いただきご活用ください。
04関連記事
人材育成|政府が重点を置く「人への投資」
社員教育で活用できる助成金 ~「人材開発支援助成金」について~
OJTとは?~OJTの具体例/事例~
OJTとは?~社員教育を考える~
社員教育/研修の導入に関する実態調査
社員研修なども対象?!|人的資本の情報開示が義務化に?!
キャリアアップ助成金の活用で行う人材育成(OJT、OFF-JT)
キャリアアップ助成金で効果的でお得な社員教育の実践を