【SPN】過去の指導実績からみる行政対応

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【SPN】過去の指導実績からみる行政対応
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過去の指導実績からみる行政対応の留意事項

■「パートタイム・有期雇用労働法」における「同一労働同一賃金」の施行状況

(1)パートタイム・有期雇用労働法を所掌する部署

パートタイム・有期雇用労働法を所掌し、法の履行確保を担う部署は、労働局の雇用環境・均等部(室) 。法の履行確保のための行政指導や調査等の一線の業務も都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)の職員が担っている 。

(2)パートタイム・有期雇用労働法による履行確保(報告徴収、助言、指導、勧告、公表)と行政ADR

①是正指導等の状況(パートタイム・有期雇用労働法 18 条第 1 項)1,778 企業を 対象に雇用管理の実態把握を行い、このうち何らかの法違反が確認された企業 1,309 社73 に対し、 3,752 件の是正指導を実施。指導事項の内容は、「第6条第1項関係(労働条件の文書交付等)」が 618 件( 16.5 %)と最も多く 、 次いで「第 17 条(短時間・有期雇用管理者の選任)」が 590 件( 15.7 %)、「第 14 条第1項関係(措置の内容の説明)」が 555 件( 14.8 %)となっている 。

②紛争解決の援助

◆労働局長による紛争解決の援助(パート有期法 24 条)

労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は 48 件。申立の内容を見ると「第 8 条関係(不合理な待遇の禁止)」が 23 件( 47.9%)と最も多く、次いで「第 14 条第 2 項関係(待遇の相違等に関する説明)」が 18件( 37.5%)となっている。

◆均衡待遇調停会議による調停(パート有期法第 25 条)

均衡待遇調停会議による調停申請受理件数は 16 件。令和 2 年度調停を開始した 16 件は、受諾勧告前に和解した事案、打ち切った事案または翌年度へ 繰り越した事案となっており、調停案の受諾勧告に至ったものはない。パート有期法施行前の 「パート法」時代の「紛争解決の援助申立・申請受理件数推移」をみると、制度自体がほとんど利用されていな かったことと比べると、前記の内容は施行直後の、それも大企業だけの件数なので、かなり多いと考えられる。令和 3 年には、中小企業にも施行されている ことから、今後さらに対象事業所を増やして調査することも考えられる。少なくとも「法違反が疑われる」ことで調査対象にならないよう、自社の状況をチェックしておくことが必要と思われる。

■働き方改革関連法(時間外労働) における監督指導と送検

罰則付き時間外 労働の上限規制については、労働基準法 36 条第 6 項で規定されている。労基法 36 条第 6 項違反について「労働基準監督年報」が 発表した直近の件数は、 2019 年 92 件、 2020 年 592
件 と なっています 。 2020 年の件数が増加しているのは、 1 年遅れで中小企業にも法が施行されたためだと推測される。送検については、 2 件の事例が報道されている。 いずれも中小企業であり、時間外労働の上限規制は経過措置により 2020 年から施行されており、監督時に 100 時間超えの違反が指摘されても直ちに送検されるという事案ではなかったと思われる。通常であれば、労基署も十分指導してからそれでも是正されないということであれば送検となる。では、本件はなぜ送検されたの か?以下の点がその理由と考えられる。

・時間外労働をさせていないように偽装した帳簿書類を提出した事実がある。
・両社が上限規制を超えて働かせていた労働者は中国人技能実習生(合計 10 人)だったこと。
・時間外労働が 1 社では最長月 184 時間、もう 1 社では最長月 171 時間とかなり長時間だったこと。

送検の前提として、労基法 36 条第 6 項違反の 監督指導が行われることが基本的には必要となる。 2019 年と2020 年を比べてみると、法が完全施行になったことを考慮しても違反事業場数は前年比 6 倍強と激増している。さらに 2022 年になると、法施行から時間も経過し周知も概ね完了したと認められることから、是正しない事業場に対する労基署の取り締まりが強化され、司法事件に至ることが予想される。

Back Number⇒【Sunpla Partners News ~2022年6月号 1/2~】

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