informationコラム
派遣労働者を受け入れる派遣先として留意すべき点
派遣先管理台帳（派遣先）【法第 42 条】 ～派遣先管理台帳とは？記載事項や作成のルール
派遣先管理台帳は、派遣スタッフの労働日や労働時間など、就労実態を記載する書面のことを指します。派遣スタッフが在籍している企業では、この派遣先管理台帳を作成・保管する必要があり、その記載内容の一部を派遣会社に通知する義務があります。
※2020 年 4 月 1 日、いわゆる同一労働同一賃金による派遣法改正に伴い、派遣先管理台帳の記載項目や情報提供内容なども一部変更されています。すでに派遣スタッフが在籍している企業の担当者のみなさまも、今一度ご確認ください。
【派遣管理台帳の記載事項】（派遣先管理台帳は、派遣労働者ごとに作成します。）
派遣先管理台帳の記載事項には、就業日、就業場所、就業時間、派遣先・派遣元責任者などがあり、 2020 年 4 月 1日以降、「派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度」「協定対象派遣労働者か否か別」の記載が追加となりました。下記、記載内容と、派遣元への通知する内容をご確認ください。
【派遣先管理台帳へ記載すべき内容】 （雇用労働者＋派遣労働者が 5 人以下は不要）
①派遣労働者の氏名
②派遣元事業主の氏名又は名称
③派遣元事業主の事業所の名称及び所在地 ※電話番号も記載
④無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
⑤60 歳以上の者であるか否かの別
⑥協定対象派遣労働者か否かの別
＜記載例＞・協定対象派遣労働者 ・協定対象派遣労働者ではない（派遣先均等・均衡方式）
⑦派遣就業した日及び日ごとの始業・終業時刻、休憩時間（実際の就業した時間や休憩した時間の実績を記載）
⑧従事した業務の種類 ※可能な限り詳細に記載
⑨派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度
＜記載例＞・派遣労働者に役職がある場合はその役職名、ない場合はその旨（例：役職なし）を記載
・業務の遂行に伴い、行使するものとし て付与される権限について
※具体的な範囲・程度等（部下の人数、決裁権限の範囲、緊急時に求められる範囲等、権限がない場合はその旨）を記載
⑩派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事した事業所の名称・所在地その他派遣就業した場所並びに組織単位
⑪派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項（苦情の処理に当たった都度記載）
・苦情の申し出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について
※苦情があった際に記録できるよう「受付日」「苦情内容」「てん末」の欄を設ける。
⑫教育訓練を行った日時及び内容（日にちだけではなく時間も必要）
⑬派遣先責任者及び派遣元責任者に関する事項
⑭派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届提出の有無
（「無」の場合はその具体的な理由も記載 →手続き終了後は「有」に書き換える
⑮紹介予定派遣に係る派遣労働者については行う労働者派遣に関する事項
・紹介予定派遣である旨 ・特定することを目的とする行為をした場合には特定の基準 ・採否結果
・職業を受けることを希望しなかった場合、または職業紹介を受ける者を雇用しなかった場合にはその理由
⑯派遣可能期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
（「有期プロジェクト業務」「日数限定業務」「産前・産後休業・育児休業等・介護休業等の代替要員に係る派遣」
※注：タイムカードで勤怠管理をしている場合に「休憩時間」の記載が漏れていることが多い
◆記載した内容のうち、上記①⑦⑧⑩ については、 1 か月に 1 回以上、一定の期日を定めて派遣元に書面で通知する必要がある。
